東大闘争の決定的局面を
いぬけ!

1968・10・26 
全学助手共闘会議


全学無期限ストライキで闘っている学生諸君、大学当局は常軌を逸した拙速主義をもって、またもや事態の収拾をはかろうと動き出した。彼らの動きは、腐敗した土台にあくまで固執し、その上に、一部の諸君の喜びそうな擬制民主化ないし近代化管理体制を接木しようとするものである。
腐敗した土台とは何か。
国家権力と癒着し、日本独占資本主義の高度な発展を支える純体制内的支配機構であり、年功序列・身分職階制に裏打ちされた権威主義・伝統主義・学問至上主義(アカデミック・フリーダム)である。この土台に対する徹底的な攻撃を欠いた「大学改革ビジョン」などは、たわごとであるにとどまらず、「よりよき管理化」への積極的協力を約束する犯罪をおかすものに他ならない。

 闘う学生諸君、冷静に大胆に(大学)を破壊せよ。
半焼家屋の跡に新しき家をたてたいと欲するならば、まず半焼家屋を焼き減ぼさねばならない。
われわれは、ここに、その最低の作業として以下の項目を掲げる。
 東大闘争を闘うすべての学生・院生・若手研究者・職員諸君、いま 一度不退転の決意を新たにして、この闘争を闘いぬこう!

○「8・10告示」撤回。
○7項目要求を受け容れ、直ちに大衆団交を開け。
○総長は即時辞職せよ。
○医学部不当処分承認以後現在に至るまでの全評議員は辞職せよ。
○医学部教授会構成員は全員辞職せよ。
○全学の各学部・研究所教授会構成員は、全員学生に謝罪し、自己の無責任・無能力を学生の審判に委ねよ。

 東大闘争を推し進めてきた唯一の組織的主体は全学共闘会議であり、全学の闘う学生諸君は共闘会議に結集している。従つて共闘会議のみが大衆団交の交渉主体となりうるのであり、他の集団がその闘争の成果に便乗することは許されない。
○全学共闘会議を大衆団交の唯一の交渉相手とせよ。
○日・民の犯罪的闘争破壊を許すな。学内支配の近代的合理化に順応する「民主化」路線・協議会方式の幻想を打破せよ。
○学部共通細則撤廃。
○公安警察と一体化した学生部解散。
○東大は国大協を脱退せよ。「大学自治こ関する東大見解」(大内パンフ)破棄。
○講座制解体。戦闘的医局員諸君による医局解体支持。
○10・21国際反戦デー新宿闘争の勝利万才!
 騒乱罪捜査を名とする官憲の学内侵入を許すな。
○すべての幻想を拒否せよ。われわれは遠くまで行かねばならないのだ。大学権力のあらゆる妥協と恫喝のつけ込むすきを与えぬ鋼鉄の無期限ストライキ体制を堅持せよ。ストライキ体制内部の空洞化の危機をはねのけ、全学バリケード封鎖によって、決定的に(大学)の死を宣告せよ!全学の戦闘的助手諸君、全学助手共闘会議に結集し、闘う学生諸君と堅く連帯して、全学バリケードの構築を追求せよ!
              
1968年10月26日
全学助手共闘会議

  ぼくはでてゆく
  冬の圧力の真むこうへ
  ひとりっきりで耐えられないから
 たくさんの人と手をつなぐというのは嘘だから
  ひとりっきりで抗争できないから
 たくさんのひとと手をつなぐというのは卑怯だから
  ぼくはでてゆく
  すべての時刻がむこうがはに加担しても
  ぼくたちがしはらったものを
  ずっと以前のぶんまでとりかえすために
               (吉本隆明)