東京大学全学闘争連合/ビラ
「封鎖!それは連帯のしるし」
1968・7・3
時計台封鎖を全学バリケード・ストライキの突破口とせよ!
東大全学の学友諸君! われわれ全学闘争連合は二日午後八時三〇分から全東大の圧倒的学友諸君の支持のもとに、整然と行なわれた時計台封鎖をわれわれの闘争のまさに正当な発展として断固支持することをここに宣言するとともに、これを突破口に大衆団交を破廉恥にも拒否し居直りをつづける大学当局に対するさらに非妥協的な全学バリケード・ストライキの闘いに全学友の決起を呼びかける。
六・一七以来の状況の中で大学当局が、われわれの前に赤裸々につきつけてきたものは、日本の最高学府、真理の殿堂などと言った耳ざわりのよいきまり文句とは裏腹なわれわれの大学の正体であった。教授会の自治といいながら、なぜ大河内総長の単独要請によって横動隊が導入されなければならなかったのか?
話し合いによる問題解決を言いながらなぜ総長は二十八日において一方的な上意下達に終始し、自らわれわれとの話し合いのチャンスを拒否しなければならなかつたのか? そして自治を建て前とする教授会がいまもってなぜ一片の意思表示も出し得なかったのか?
これらこそわれわれが抱いていた大学に対する美しい イメージを彼ら自身による破壊ののがれる術もない証左であったのである。
このような現実が、われわれ全学生につきつけられる中でわれわれはスローガンとしてかかげた獲得目標に対して彼ら大学当局はまったく応える意思をもっていないばかりでなく、この状況を道取りして行動の自由をうばい取っていこうとしていること。そしてわれわれの中にも大学当局の悪らつな方法に巻き込まれ不本意にも自らの貴重な仲間たちを売り渡してしまいかねない部分が居ることが明確に浮びあがってきた。
これは一部の先進的部分ばかりでなく、多くの学友諸君が感じており東大の全状況に対するアパシーというかたちで重く学友諸君の胸の中に沈澱していった。
この事実は二十八日の一方的総長所信表明の場に七千人にも及ぶ話し合いに期待する学友が結集したにもかかわらず大衆団交が総長自身によって拒否された直後から運動が急速に分散・縮小の方向をたどっている現在が見事に物語っている。
しかし、学内には、この分極化し停滞しているかに見える中で、断固としてストライキに立ち上がらんとしている法学部・工学部・教養学部の学友諸君の力強い闘いの萌しがある。そして、せっかく立ち上がりかけた学友が本部封鎖の事実によって離反してしまうとの批判の声が上がっている。しかし、そうだろうか?
今、闘いに立ち上がった学友たちは六・二〇、六・二八にみられた圧倒的多数のエネルギーによっては大学当局から引き出し得なかった事実を知っている。そして、そのような現実の壁の厚さに抗し、断固として闘うことを決意しているのだ。我々はこの貴重な闘いを尊重する。それ故に、この諸君たちと、闘いの勝利、高度な運動の発展との問を結ぶかけ橋として、時計台封鎖が真に有効なものであることを主張する。
それは何故にか!
これまでの闘いで我々は自己の存在そのものを全力をあげて大学当局につきつけてきた。これ以外に我々が得るものは何一つ無いことをいやというほど思い知らされる中で、まさしく本部封鎖は、この我々の全力をかけた闘いの象教として行なわれたものだからである。
すべての学友の心の中にわだかまっている自己の変革を通した闘いへの恐れ、そして傷つくことへのおそれが、この本部封鎖の実現によってあとかたもなく消し飛んだからである。我々の封鎖によってもたらされた全学的状況は、我々と諸君の運動における離反としてあるのではなく、かえってこの封鎖の実現によって解き放されたところの限りない闘いの可能性、そして自由な行動の発議が保障されたのだ。
一般的アレルギーに振りまわされることなく、諸君の心の中に芽生えた新しい息吹を見つめよう!そしてその息吹きによる行動と我々の封鎖の関係をきびしく追求していこう! それは我々闘うもののすべての義務であり、そしてこの相互の関係の中ではじめて我我が常に追求してきた大衆団交要求が圧倒的な勝利への展望を絶対的に切り開くのである。
我々の本部封鎖は、封鎖により我々自身を、そして諸君を閉じ込め固定化するものでは決してない。我々は逆に、封鎖により、自らを大衆的に開放し、全学友の闘う本当の具体的行動を要請しているのだ。諸君、我々は、封鎖によりそして、その封鎖を、我々のこれまでの統一スローガンの勝利まで、徹底的に守り抜きかち取ることを、ここであらためて決意する。
”全学友は本日(3日)午後2時からの講堂内集会に結集せよ”
不当処分白紙撤回
機動隊導入弾劾
国大協路線粉砕
大衆団交要求
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