1969年11月ノーム・チョムスキーの警告


日本では多くの戦う学生や労働者が政治犯として苛酷な弾圧下にあった1969年11月の末、マサチューセッツ工科大学の言語哲学教授ノーム・チョムスキーはボストン郊外の自宅でべ平連の小田実と対談した。
彼は来たるべき時代の日本を的確に見抜いていた。
ひたひたと嵩を増す
軍事帝国阻止の闘いに向けて全共闘は自ら退路を断った。
敗れてはならない決戦だということを誰もが自覚していたのだ。


それを推進させようとする圧力が日本の産業のある種の部門に生じている。


1969年11月

「私の考えること」
ノーム・チョムスキー教授(インタビュアー小田実)
、、、産軍複合体に大学が深くかかわっているいま(1969年)のアメリカの実態は、これからの日本にとってほんとうに時宜にかなった例になると思う。
なぜなら、日本はいま(1969年)
この産軍複合体へと進む入口にまで来ているからだ。
アメリカですでに破産に瀕しているその同じ体制を、日本はまた作ろうとしている。
これは恐るべき問題だ。
日本の財界は軍事力を発展させそれとのつながりを深めようと圧力を増している。
(アメリカの)学者たちは、今、日本の防衛産業とアメリカのそれとの結びつきを研究している。
防衛産業における特許の相互供与、生産管理の問題その他についてだが、この結びつきは深まる一方で、
それを推進させようとする力が日本の産業のある種の部門に生じている
この体制が現在のアメリカのように社会の骨がらみになってしまう段階に達する直前の
今(1969年)、日本の人たちは批判の声を大きく上げるべきだ。