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1968年、
全共闘が挑んだ軍事財閥
 

以下は、1961年、
アイゼンハワーのいわゆる軍産複合体の一端を表示する数字である。

既に1961年時点で、こうだったのだ。

2003年に日本の「靖国軍事屋」とか「英霊ミサイル商人」と言われる2世3世のチンピラ議員を政権に就かせて好きなように操ることなど赤子の手を捻るようなものであろう。

 1961年の、数年前に発表されたコーディナー報告によれば、国防総省の資産は千六百億ドルで、いかなる尺度から見ても世界最大の組織である、とされている。国防総省は米国内に三千二百万エーカー以上、海外に二百六十万エーカーの土地を所有している。従って所有地の面積はロードアイランド、デラウェア、コネチカット、ニューージャージー、マサチユーセッツ、メリーランド、バーモント、ニューハンプシヤー各州の合計よりも大きい。

 軍部勢力の典型的なシンボルともいうべき巨大な国防総省ビルは、米国民主政治の殿堂である国会議事堂をその五角形の一翼の中にすっぽりと包み込んでしまう豪壮さである。
 アイゼンハワーの在任中、三千五百億ドル以上の軍事費が消費された。一九六二年度予算案八百九億ドルのうち、一ドルにつき五十九セントが軍事費に割当てられていた。このドルの洪水によって国防総省の経済的影響力は全米のすみずみまで浸透している。国防総省の軍事資産はU・S・スチール、米国電信電話会社(AT・T)、メトロポリタン生命保険会社、ゼネラル・モータース(G・M)、スタンダード・オイル・オブ・ニュージャージーの資産合計の三倍に相当し、その職員数はこれら五社の社員総数の三倍である(これら五社の国政に対する影響力はしばしば識者を憂慮させている)。

 軍部とビッグ・ビジネスの大結合体は数十億ドルの契約金を通じて一心同体となっており、一九六一年度の全軍事予算のうち約二百十億ドルが調達費に使われたが、調達費の四分の三は大手百社に渡り、うち巨大十社が七十六億ドルを獲得した。しかも、巨大三社、つまりゼネラルル・ダイナ、ミックスが十二億六千万ドル、ロッキード、ボーイングがそれぞれ十億ドル以上と、三社で三十億ドル以上を占めていた。ゼネラル・エレクトリックとノース・アメリカ航空の二社はおのおの九億ドル以上を獲得した。

 このような巨額の契約は調達担当役人の思い付きで、一握りの巨大会社に割当てられるのだ。現に二百十億ドルの契約のうち八十六・四パーセントは至別に入札を行なわずに割当てられた。これだけでなんらかの裏面工作が行なわれたのではないかという疑惑が当然起って来るが、いままでのところ、確実な証拠はないようだ。ある特定の兵器または装置の支持者だった軍人が引退するや否や、現役中にひいきにしていた会社の重役に高い報酬で迎えられるということがよくある。

一九五九年ー六〇年に活動したエーバー調査委員会は、少佐以上の退役将校のうち千四百名以上が、二百十億ドルの軍需契約の四分の三を山分けした大手百社で働いていることを明らかにしたが、この中には二百六十一名の元将官ないし元帥が含まれていた。
最も多くの元将校を抱えている会社は最大の軍需契約を取った会社、すなわち、ゼネラル・ダイナ、ミツクスであった。同社は二十七名の元陸海軍将官を含む百八十七名の退役将校を抱え、その社長は元陸軍長官フランク・ペイスであった。

 このような力の集中は米国経済全体を金しばりにすることによって、一層強固なものとなっている。巨大軍需会社が出す下請契約は、全米のほとんどすべての市町村に影響を及ぼしている。下請けによって何百万ドルにも上る仕事が生み出される。国防総省に所属している人員は三百五十万人、そのうち九十四万七千人は民間人である。これらの人員に支払われる給料は百十億ドルで、これは米国内経済の指標といわれる自動車産業が支払う給料の二倍以上である。

さらに、軍需産業に直接雇用されている人員は約四百万人と見られている。とすれば、米国の全労働人口の約十分の一に当る七百五十万人が軍部に頼って生活しているということになる。
軍需工場に依存する雇用度が特に高い地域では、軍事消費に対する依存度がほとんど百パーセントになっている。例えば、カリフォルニア州は年々約五十億ドルの軍需契約を獲得している。ロサンゼルスでは、全雇用の半分は直接または間接に、軍備競争継続、すなわち軍事消費に依存していると見られている。このような状況の下では、食糧品店、ガソリン配給スタンドに至るまで軍需工場の盛衰によって営業成績が決定されると考えるようになるだろう。同様の理由で、軍事費の削減、いなその気配が見えただけでも、軍需関係の労資双方から、また選挙への影響を気にする政治家達から、たちまち反対の声が挙がるのである。

 米国の新しい − そして恒久的な − 軍国主義を基盤にして築かれた巨大な、圧倒的な権力の構造の実体は大体このようなものである。それはアイゼンハワーのいう"全米の都市、州議会、連邦政府の各機関にまで浸透している"カなのである。
 これは米国にとっていかなる意味をもつものであるか、その回答はあまり芳ばしいものではなく、またこの回答を無関心に受取っている現状は決して歓迎さるべきことではない。高齢ながら毒舌家のフランダース上院議員はこういったものだ。

 われわれは軍備のために、われわれの生活水準や凝済生活の自由をぎせいにしている。しかも、そればかりでなく自由そのものをもぎせいにしているのだ。われわれはアメリカ的生活様式を"要塞国家"のそれに転換することを強制されているのである。

 責任あるベテランの上院議員がそのような発言をすることは50年前には考えも及ばなかったことだ。当時かりに上院議員がこの様なことをいったとしたら、それこそ全米に大騒動を巻き起したに違いない。だが、今日米国がすでに"戦争国家"となってしまった証拠に、この言明に対してなんらの反響も起らなかった。
『The Warfare State』 by Fred J. Cook・笹川正博訳より




2006年・発狂国家

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